弊ブログで何度か紹介しているAsciidoc。markdownより高い表現力に、充実したドキュメント、VSCodeのAsciidoc用拡張機能の使いやすさから、一年近くメモから趣味開発プログラムの仕様書、大学のレポートの執筆に積極的に利用していた。
ただこのAsciidoc、文法がやや複雑で覚えにくい為markdownほどお手軽には書けず、テーブルなど小難しいことをしようと思うと毎回公式wikiを見ながら書いていた。 というわけでAsciidocからの移行先を探していたら、notionというアプリに出会った。
一ヶ月くらい使い倒した結果、メモツールとして非常に優秀で、これ無しで学業・開発やってられないってくらいに優れたアプリだったので紹介。
Notionとは
一言でいうと、markdownでの記述が可能な、Evernoteの超強化版メモツール。ノートをとったり、Trelloのようなタスク管理をしたり、ToDoリストを作ったり、簡易テーブルでデータを管理したり、wikiのような運用をしたり、これらを複数人で共有したりできる。公式サイトにもある通り、多種多様で複雑化するメモ・タスク管理ツールをこれ一つにまとめてしまうことができる。
ここがすごいよnotion
- 見た目が洗練されている
毎日使うようなツールは、使いやすいことは大前提として、やはり見た目も重要。その点Notionはモダンでシンプルな、美しいデザインになっている。
要素を横に並べたり、絵文字を使ったりして見やすいページを自分でつくることができる。
- Web Clipping対応
ChromeとFirefoxの拡張機能を使えば、Web Clippingを使って、画像のように気になった記事を貯めていくことが可能。
- DataBase機能が凄まじい
Notionを使ってて一番すごいと思う機能。例えば先程のWeb Clipping。ちょちょっと操作してやると、
このようにリスト形式の表示に変えることができる。他にもTrelloのようなカンバン形式にしたり、テーブルにすることもできる。テーブルは、簡易的ながら数式を利用することができる。
私はこの機能を使ってプレイしたゲームや読書の記録をつけている。
- 複数人での同時編集
実際に使ったことはないが、複数人で一つのワークスペースを編集することが可能。だれがどこを編集したかは一定数履歴が残るし、ページごとに公開範囲を設定、編集権限を他の人に与えないといったことも可能。手元のPCとiPadを使って確かめた所、同期も相当早く、リアルタイムで同じページを複数人で編集することもできると思う。
- テンプレートが豊富
これだけ機能が豊富だと、どこから手をつけていいかわからなくなる。そんな人のために公式・非公式でテンプレートが公開されている。
テンプレートをそのまま使うもよし。自分の使いやすいように改造するもよし。どうあれ最初はテンプレートを入れてみて、それを参考にしてNotionの機能を知っていくのが良いと思う。
▲ 因みにお気に入りのサブスクリプションの管理用テンプレート
mardown、Asciidocとの比較
表現力
Notion >>>>>>>>>> Asciidoc > markdown
編集・入力の簡単さ
markdown > Notion > Asciidoc
markdownはある程度PCに慣れている人ならすぐに覚えられ、使えるというのが良いところ。Notionは現在メニュー画面などが日本語に対応しておらず、また、やれることが半端なく多いので、慣れるまでに時間がかかるのが難点。ただ、
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を入れれば大体の機能にアクセスできる。利用料
markdown、Asciidoc 0円 Notion 5ドル / 月
気になる点
gitでバージョン管理ができない
当然っちゃ当然だが、GUIツールなので、gitで差分をとってバージョン管理ができない。一応履歴で、誰が、どこを編集したか確認することができるが……
万が一サービス終了したときのダメージが大きい
All in oneのメモツールなので、もしサービス終了することがあれば、ダメージが大きすぎる。ただこれは外部サービスに頼る以上避けられないことか。
頻繁なマウス操作が求められる
大体の機能は
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でアクセスできるし、ショートカットも充実しているが、それでもマウス操作が必要な場面が頻繁にある。プログラマは気にする人が多いかもスマホアプリ版の完成度が低い
タブ機能がない
そういうデザイン思想で作ったのだろうと想像できるが、それでもタブ機能がほしい。色んな場所に散らばったページを同時に編集したい時がよくあるので。
おすすめの運用
- 人に渡すメモ、高い表現力が必要ない、バージョン管理したい文書 ...... markdown
- 仕様書などある程度の表現力が求められる文書 ..... asciidocで書いてPDF変換
- スマホ、タブレットでもメモを取りたい・閲覧したい人 …… Google keepやevernote
- それ以外 ...... Notion
ただしこれらは一人で運用する場合。研究室や会社等、集団で使う場合はまた違う判断基準になる。感覚的には、Notionは一つのワークスペースで30人くらいまでが編集権限を持つ、が限度だと思う。それ以上は相当厳格な運用ルールを定めないとグチャグチャになると思う。
まとめ
Notionはとことん触り心地の良さにこだわっているツールで、お陰でメモを取るのが苦痛ではなくなってしまった。自分だけのwikiが出来上がっていくのはとても楽しい。当面はこれで殆どのメモを取るつもりでいる。1年後、どれだけの情報が蓄積されることになるのだろうか……
スマホでも編集したい、という人を除けば、非常におすすめのツールなのでぜひ使ってみてもらいたい。